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映画/『ザ・ライト~エクソシストの真実~』

映画/『ザ・ライト~エクソシストの真実~』_c0184546_263835.jpg宗教のことは良く分からないけれど、だからこそ知りたいという思いがあって見に行ってきました。
以前ちらっと紹介されてるのを見たんですけど、この作品は実話を元にしてて、エクソシスト(悪魔祓い)は今も実在していて、エクソシストの講義も実際に開かれているのだとか。
「未知の世界の話。でも現実の話」なこの作品はワタシにとってすごく興味深い内容でした。

代々葬儀屋か神父の家系のマイケルは稼業を手伝っていたが、信仰に不信感を抱きつつも家を出るために神学校へと進む。司祭になるつもりはないマイケルだったが、ある出来事をきっかけにエクソシスト講義への参加を進められヴァチカンへと赴く。
講義の後マイケルはエクソシストの第一人者であるルーカス神父を訪ねるよう言われる。マイケルは少々風変わりなルーカス神父の悪魔祓いに立会い衝撃を受けるが、それでもまだ信じることは出来なかった。やがてマイケルとルーカス神父の周辺で奇妙なことが起こり始める………なお話です。

もっと簡単に言うと、マイケルという信仰を失った若者が神父になるまでの話なんですけども、題材が悪魔祓いなので、ホラー映画に出て来るような悪魔憑き描写やおどろおどろしい雰囲気はあるものの、基本姿勢は「エクソシストの真実」と邦題にあるように、エクソシストとはどういうものなのかを描いた作品です。

でも、ちょいちょい効果音をふんだんに使った驚かし場面があるので心臓の弱い方はご注意。「ドーン!」とか「バーン!」の他に「キャー!」という女性の悲鳴に似たものもあり。完全にビビらす気だよね。いちいちビックリしちゃったんですけど(^^;)



※ネタバレ含みますのでご注意。

もう少し先の展開を話すと、ルーカス神父が時間をかけて悪魔祓いを行ってきた女性が亡くなった後、マイケルの父親が亡くなり、ルーカス神父に悪魔憑きの症状が出始めます。そして、マイケルがルーカス神父の悪魔祓いを行うことになるわけです。信仰を失ったマイケルにルーカス神父を救えるのか!?に、すっごいハラハラさせられて、ものすごい緊迫感の中、息詰まる攻防でグイグイ引き込まれて行きました。

宗教とは無縁のワタシなので、それについてどうこう語れないんですけども…。悪魔祓いっていうのは自分自身と向き合い戦うことなんだなーと思ったりです。特にマイケルの場合、母親の死によって信仰を見失って、神学校に進み悪魔祓いを目の当たりにしても懐疑的な姿勢は変わらず、悪魔に「疑う者」「嘘をつく者」などと呼ばれていたんですよね。悪魔は人の心の傷や弱味に付け込んで攻撃してくるので、それを認めて受け入れる強さがなければ打ち負かすことは出来ない。誰でも痛いところを突かれれば相手が悪魔でなくとも怯んでしまうでしょうし。

ワタシが感じたのは、信仰の強さって自分を信じる強さで、神とか悪魔とかってのは自分自身の中にあって、
自分を信じられない者が神も悪魔も信じられるわけがないんだなあ…、てことでした。何を信じるかは自分が決めることで、その選択をした自分を信じられるかどうかなのかなあ…と。ズレた感想だと思いますけど(^^;)
まあ、結果として懐疑的なマイケルを通すことで、「悪魔は存在しますよ」てことを言ってるんだと思うんですけど。

作中にも出てきましたが、「悪魔憑き」と「精神疾患」の境目って難しいと思うんですよね。例えば肉体の変化にしたって多重人格の場合、人格によって持病が治ったりすると聞きますし。極度のストレスから自分を守るために悪魔を生み出す(作り出す)可能性が無いとは言い切れないと思うし。そこの判断は悪魔祓いを行う神父に委ねられるみたいですが…。

by norarican | 2011-04-22 23:56 | 映画