人気ブログランキング | 話題のタグを見る

映画/『ドライヴ』 DVD観賞。

映画/『ドライヴ』 DVD観賞。_c0184546_301031.jpg劇場での予告も気になってたし、数々の映画賞を総なめの話題作とPRされていたので、レンタルで観賞。
個人的には、主演のライアン・ゴズリングが気になってまして。アメリカですごく人気があると聞いていたのと、好きとかファンと言う人をネットでちょいちょい見かけていたので。

自分が見たことを伝える、表現する適切な言葉が見つからなくて、もどかしいんですが…。すごく独特の雰囲気があるというか、哀愁漂う作品でした。芸術性が強いと言えばいいのかな…?見ている間、思ったのは「香港ノワールみたいだなー」でした。それかソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』。
緩急のある映像やその場面に流れている音楽、画の撮り方などにそう感じたんですが、語れるほど詳しくもなければ数も見てないので、単なるイメージですけどね(^^;)。

※ネタバレ含みますので、ご注意!

ストーリーは、ズバ抜けたドライブテクを活かし、昼はカースタント、夜は強盗の運転手をしている男(ドライバー)が、ある日同じアパートに住む母親(アイリーン)と息子と出会い、親しくなるにつれ穏やかで幸せな時間を過ごすようになる。しかし、アイリーンには服役している夫がおり、近々出所すると言う。その後、出所した夫が服役中に作った借金の取立てに追われ、強盗を強要される。
夫が関わっている人物の危険さを知るドライバーは、アイリーンと息子の身を案じ、夫の強盗に協力することになるのだが…。というもの。

ここからドライバーは、夫が強要された強盗がマフィアの金のだったことから(夫は知らされずにいた)、裏社会のゴタゴタに巻き込まれて行き、アイリーンと息子、そしてドライバーを始末しようとする奴ら(notマフィア)を逆に始末していくのです。

ほとんどセリフがなく淡々と流れているかと思えば、スピードとスリルのカーチェイスがあったり、突然残虐バイオレンスシーンになったり、静と動の差がすごく激しい。気を抜いてると思わぬ場面に出くわしビックリする。
けど、それが作品に独創的なテンポを生み出していて、アクの強いアクセントになっているんじゃないかと思う。まあ、ワタシはグロいバイオレンスが苦手なので、その辺はちょっと直視できなかったけど(^^;)。頭吹っ飛ぶ場面がスローとかムリ。一緒に見ていた人の口からは、思わず「うわぁ………」という声が漏れてました。



 
ライアン・ゴズリング演じる主人公のドライバー(←これが役名)(そういえば誰も彼の名前口にしなかったなぁ…と後から気付いた)が口数少ないキャラというのもありますが、話の流れ的な状況説明はカット映像で簡潔に、心情を表す部分には時間を割いて登場人物達のセリフも多め。それでいて派手なカーチェイスや銃撃戦があるなど二面性があり、それは一見物静かだけど自分が大切なものを守るため、残虐で大胆な行動をするドライバーにも共通していることなのかも?という気がしました。
ドライバーは、銃なんて使わない。だけど、めちゃめちゃ強くて、ものすごい怖い。普段が穏やかなだけに、より一層そう感じる。

ワタシが印象に残っているのは、ドライバーが恋した人妻アイリーンとのエレベータでのシーン。
ドライバーが初めて彼女に対して自分の気持ち(恋する気持ちと守りたい気持ち)を行動に表すんですが、それがまた真逆のことで…。
あまりの豹変ぶりと残酷さに、動揺し怯えるアイリーンに、返り血を浴びた姿で哀しそうな顔をするライアンがとても印象的でした。ライアンが人気あるというのも頷けました。憂いた表情がいいですね。彼でなければ、ここまで独特の空気感は出せなかったんじゃないかな?て思った。

あと、ドライバーは、あくまでも運転手なので、依頼主が仕事をしている間は外で待つのみ。ある人物の仕事に協力した際、中で何が起きているのか。ドライバーと共に一緒に待っていると、情報のないことが不安だったり焦りだったりを感じて、数分がとても長く感じられた。
ドライバーは、これまでは無関心だったから時間が来たら去るだけの話だったけど、今回はどうするのか?やっぱ去る?それとも助けに行く??と、彼の選択を予想してハラハラしたりも。
そして、ラストがまた余韻を含んだもので、そこも『SOMEWHERE』ぽさを感じる。

芸術性がやや強い作品ではありますが、手に汗握るカーチェイスなどもあるので、バイオレンス描写に耐久性があるならば、ライアンが醸し出す空気に触れてみるのも良いかもしれません。
あまり得意なジャンルではないんですけど、俳優さん目当てだと見れるので、そんな時は新鮮な気持ちになるというか自分の視野が広がった気がします。実際は違いますけどね(笑)。ホラ、ワタシの映画チョイスは、アクションか俳優目当てのどちらかだから(^^;)。

by norarican | 2012-12-13 01:00 | 映画