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英国ドラマ/「刑事トム・ソーン 声なき目撃者」 全3話。

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≪画面左より、フィル、ケヴィン、トム、アン≫

WOWOWで放送された英国ドラマ。原題は、「Thorne: Sleepyhead」。
以前、録画して見る気マンマンだったんですが、結局見れずに消去しちゃってまして。1話完結じゃない(全3話で1エピソード)から、気合いと時間が必要で(^^;)。結構頻繁にリピート放送されていたから、気持と時間が整った時にまた録画しようと思っていたら、先日2が放送されるタイミングで1もまとめて放送してくれるというので再度録画。

なるべく間あけずに3話見たのですが、合間に見たドラマが似たような話で記憶が交錯。ワタシの記憶力、マジヤバイ。覚えてることをツラツラとまとめ書きしていくので、ガンガンネタバレしてるかもだからご注意!!

ストーリーは、刑事のトム・ソーンが女性の遺体が発見された後、同様の手口による連続殺人へと発展した事件を捜査するうちに、署内で“ソーン伝説”と謳われるきっかけとなった過去の事件へと繋がり、現在と過去の事件に隠された真相が明らかになる…というもの。

※ここから、がっつりネタバレあらすじ!

女性の遺体が発見され事件を担当することになった刑事のトム・ソーン。女性は一見、脳卒中による自然死のように見えたが、検視の結果巧妙な手口で殺害されたと判明。調査してみると、過去に同様の手口によって女性が亡くなっていることが分かり、事件は連続殺人事件へと発展する。トムが指揮を任され捜査を続けるが、新たな被害者が1人また1人と増えていく。

そんな時、被害者の1人が一命を取り留める。唯一の生存者に期待するトムだったが、彼女は昏睡状態に陥り、意識を取り戻すも生命維持装置で保っている状態。主治医アン(「カリフォルニケーション」のカレン)の協力を仰ぎながら、なんとか生存者アリソンから事件の手掛かりを掴もうとするトムだったが…。

アリソンは、体はまったく動かせないけど意識だけはハッキリしていて、モノクロームでめっちゃ話してる(考えてる)。その後、トムがアリソンを奮起させるため怒鳴りつけて、なんとかまばたきと眼球の動きで意志を伝えることが可能になるのですが、事件前後の記憶が曖昧で、犯人に直接結び付く情報は得られず捜査は難航。
それでもトムは度々アリソンの元を訪れ、話を聞き出そうとし、アリソンもトムを信頼しできる限りの協力しようとする。邦題の“声なき目撃者”てのはアリソンのことですね。

で、トムは署内で英雄というか憧れ的存在で、ボスも彼の捜査能力に絶大な信頼をおいている。それは、トムが15年前の連続殺人事件:カルヴァート事件を解決して、飛躍的に出世したから。
まだ駆け出しだったトムが、容疑者と握手して相手の目を見ただけで犯人だと見抜いた、という逸話が署員の間で“ソーン伝説”として語り継がれている。それと、いつもしかめっ面で無駄口をたたかず、人づきあいも友人のフィル以外ほとんどなく、ちょっと近寄りがたい感じ。静かな人。

カルヴァート事件については、劇中トムの回想で度々出てくるのですが、最初は小出し小出しなのが次第に核心に迫っていき、何かあるの?と思わされて、好奇心を刺激されます。こういう視聴者の心理をついた映像作りが英国ドラマの好きなとこ。



 
アリソンからわずかな手掛かりを引き出し、捜査を続けて行くうちに、トムはカルヴァート事件と今回の事件のトムにしか分からない類似点に気付き、犯人の目的が女性を殺害することではなく、閉じ込め症候群?にすることだと確信する。アリソンが一命を取り留めたのは、犯人のミスではなく成功で、他の被害者達は失敗した結果なのだと。
しかし、類似点については公にせず、病理学者で検死を担当する友人のフィルとコソコソ。フィルもフィルで、「バレたらどうすんだ?!」とかトムに意味深な言動をしていて、カルバァート事件について2人が隠し事をしているのが濃厚になっていきます。すげぇ勿体ぶってる…!(>_<)。

このフィルてのが右ピアスしてて「あれ…?これって…」て思ってるうちに、フィルがタトゥー入れる場にトムが付き添ってたりして(ガンガン、タトゥー入ってる)、「随分やんちゃで自由な検視官だなー」「そんなにトムと親しい関係なんだー」の後、本人ゲイカミングアウトで妙に納得(トムはノーマル。たぶん)。
普段は静かなトムも、フィルといる時は世間話やジョークに笑ったりしてて、フィルの方もだいぶ明け透けでトムにズバズバ言ってて、2人の関係が長いor親しいことが伺えます。
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「ワタシこの人好きだわー」て思いながら見てて、ふと気になって調べてみたら、案の定、中の人はアイルランド出身の役者さんでした。ワタシのアイルランド出身好き率はかなり高確だぜ…!てのが最近ようやく分かってきました。

それはさておき。
トムがカルヴァート事件の秘密に思い悩んでるうちに、自宅で襲われ(軽い怪我で済んだ)、数日捜査を離れている間に、トムのライバル?のケヴィンが事件の指揮をとることになっていた。犯人らしき人物からトム宛ての手紙が発見されたりで、ケヴィンはカルヴァート事件の模倣犯として捜査を進めることに(手紙にカルヴァート事件のことが書かれていた)。ケヴィンの捜査方針が間違っていると確信しているトムだったが、明かすことが出来ず、言われるまま地味な仕事に回る。

裏付け捜査の中で、未遂事件の被害者マギーと出会い、彼女をアリソンに引き合わせる。マギーと会って話を聞くうちに、少しずつ事件のことを思い出すアリソン。やがて、フィルの情報でトムは被害者達の監禁場所を探し当てる。

その頃、病院ではアリソンと面会していたマギーが襲われ首を切られる。犯行現場の鏡には、彼女の血で書かれた「彼を殺してどう感じた?トム」というメッセージが。動揺したトムはすぐさまメッセージを消し、廃墟となったカルヴァート家にフィルを呼び出す。
メッセージはカルヴァート事件の真相を知らなければ書けないことで、それを知っているのは自分とフィルだけ。トムは、フィルがマギーを殺したのでは?と疑っていた。しかし、殴り合いの末分かったのは、フィルはトムに背負わされた罪(隠し事)の重さに苦しみ続けていたということだった。

フィルは、身分を隠してカルヴァートの息子と接触。息子はヤク中になってて、堕落した人生を送っており、曰く「お前が破滅させた」とトムを責める。でも、トムのことを隠している自分も同罪、と苦しんでいた模様。
ここらで、事情聴取を受けた後カルヴァートのことが気になったトムは1人でカルヴァートの家を訪れ、彼の3人の娘の遺体を発見。カルヴァートを銃で撃ち殺し、駆け付けたフィルが後始末してる間に、自殺したカルヴァートを発見したように偽装していたことが明かされるのでした。

一方、トムが探し出した監禁場所を捜索するケヴィンは、現場に残された写真から犯人を見つけたと上司に報告。その犯人とは…。

ケヴィンは写真を証拠にフィルを逮捕。自暴自棄のフィルは大人しく従うが、オフィスに貼られた事件関係者の中に、カルヴァートの息子ジェフを見つける。ケヴィンはアリソンの第一発見者のラムジーだと告げるが、息子と接触しているフィルはジェフ・カルヴァートだと強く主張。そこから一気に事態は急展開。

ここまでの間に、アリソンの手術を担当した医者が怪しい言動で疑われたりしてたけど違ったり、犯人が病院の職員らしいことがチラチラ見えたり(たぶん変装してた)、アンのいいつけでアリソンに付き添っていたアンの娘レイチェルが一連の事件の犯人と顔見知りで連れ去られて、犯人のことを思い出したアリソンがどうにかしてレイチェルの危機を知らせようと維持装置のアラーム発動させて、無事にレイチェル発見。薬は打たれていたけど、大事には至りませんでした。

最後の最後まで顔を見せなかった一連の犯人は、既に捜査官達の前に姿を見せてました…!てことで、ラムジーは偽名で本名ジェフ・カルヴァートの聴取をケヴィンが担当。マジックミラーの先で聴取つーかジェフを見守るトム&フィル。ボスもいたかな?
現在の事件については、犯人だって分かってるし動機なども最初のうちに自白しちゃつてるから、みんなの関心はもっぱらカルヴァート事件に集中。特にケヴィンは、ジェフの供述がカルヴァート事件の真相を暴き、トム失脚の証言になるから、そりもう必死です。唾飛ばしまくりです。そんなにトムを羨んでいたのか。

ジェフ曰く、父親の事件のことはすっかり忘れていたけど、ある日ある人(トム)と出会って妹達のことを思い出した。被害者となった女性たちを救わなきゃと思った。自分や妹達が父親にされたような事から守ろうと思った、らしい。
ジェフや3人の妹達は父親から性的虐待を受けていたことが伺え、身を守るために心を閉じ込めようとしたのでしょうかね。ジェフにとってトムは恩人で、トムに対して特別な感情を抱いていたみたいです。一方的だけど。

あの日、父親はジェフを銃で殺そうとしていて(既に妹達は殺害されてた)、引き金を引く寸前でトムが訪ねて来て助かった…と、話始めるジェフ。それを聞いたケヴィンは、トムが訪ねた時まだカルヴァートが生きていたことを知って驚く。ますます躍起になって執拗に真相を追求しようとするが、ジェフは恩人のトムに不利なことはしたくないので、ケヴィンの思惑に気付いたのか途端にだんまり。ジェフの回想のみで真実が明かされる。
この時点では、トムがカルヴァートを射殺したことだけが判明していましたが、フィルも知らないさらなる真相が…。

トムと父親が話しているところをそっと覗いていたジェフ(トムは知らない)は、父親がトムに自分の銃を握らせ引き金を引かせていたのを目撃していた。
傍目には引き金を引いたのはトムだし制裁(私刑)に見えるけど、精神的にはトムの手を借りた自殺…なのかな。トムは少女の遺体を見て、カルヴァートに促されるまま引き金を引いた…というところでしょうか。

顔を真っ赤にして、「それでっ!それでどうしたっっっ!!何を見たんだっっっ!!」と、必死な形相のケヴィンを尻目に、ジェフは口から大量の血を流し、自ら噛み切った舌を吐きだすのだった…で、ウギャァァァァァ!!!(-△-;)
これは、ケヴィンの望む話はしない、自分が見たことは絶対に口外しない、というジェフの強い意志表示なのではないかと。あの時見たことは、トムと自分だけの秘密なのだ、と。トムに送ったメッセージとも思えました。

そして、ラスト。閉じ込められた中でしか生きられないのなら…というアリソンの希望で、維持装置のスイッチが静かに切られるのでした。

ふぅ。おつかれさまでした。

現在の事件では、犯人が誰なのか?その目的は?過去の事件では、トムとフィルが隠している事とは?当時何があったのか?な謎が散りばめられていて、若干回収してない?と思える伏線や事柄がありましたが、疑わしい人物が出たり消えたりする一方で、トムが隠している秘密がいつ暴かれてしまうのか?!にドキドキハラハラ。
内容的には、ちょっと3話は長いかな?という気もしないでもないですが、その分心理描写が色濃く描かれて謎が深まっていくので、1話を見たら次を見ずにはいられない。集中力が切れることなく見れて面白かったし、どっぷり英国ドラマの雰囲気に浸れて楽しかった♪

by norarican | 2013-05-17 01:22 | 英国ドラマ