人気ブログランキング | 話題のタグを見る

映画/『パシフィック・リム』

映画/『パシフィック・リム』_c0184546_23114432.jpgこの作品は吹替えの声優陣にかなり力入れていたので、是非吹替えで見たい!て思ってました。ていうか、吹替版がデフォだった。
有名または人気声優さん勢揃いなおかけで、画面の中にいろんなキャラクターがいて、もうそっち(声)の方が気になっちゃって気になっちゃって(笑)。

ワタシ的に特に気になったのは、おっさんなのに(声が)一番イケメン&若いんじゃね?なシャアと、アムロとトンガリ君コンビ。トンガリつーか三ツ矢さん。たしかにキャラクターには合ってたけど…際立ち過ぎ(笑)。
シャアの息子が「CSI:マイアミ」のウルフだし、メインキャストは「銀魂」の銀さんに、「コナン」の灰原(世間的には「エヴァ」の綾波の方が分かりやすいかな?)。他にも「北斗の拳」の有名ナレーターが「処刑人Ⅱ」のロミオの吹替えやってたり、竹中さんだと思ったらケンドーさんだったり。耳馴染みが良過ぎて、これ気にするなという方がムリ!\(^o^)/。こんな豪華な布陣てだけでも十分楽しかったし、かなり盛り上がりました♪

菊池さんは、映画PRで日本のバラエティ番組に出演してるのをいくつか見ていたので、彼女が演じるマコが口を開いた時には、「え゛っ…?( ゚д゚)」。随分と可憐な声つーか綾波レイで、最初はちょっと違和感あったけど、まあヒロインだからいいのかな、と。
ワタシのお気に入りキャラは、先にも書いてますが、オーストラリア代表イェガーの“ストライカー・エウレカ”に搭乗しているハーク・ハンセン。声はシャア。演者も吹替えの声もドストライク。中の人は、海外ドラマの人気作にもよく出てて、たしか「キャッスル」でベケットのお母さんの事件に絡んだ人=警部と相討ちした人…だったような。違ったらごめんよ。悪役が多いイメージだったので、ヒーロー役が意外だったけど(一瞬ね)(←失礼)、すげぇーカッコイイ親父だった。

監督は、日本のオタク文化に造詣が深く、今作に取り入れたとは公言してないけど、日本の特撮(円谷、東宝など)やロボットor戦闘アニメ、少年漫画、の色んな要素が入り混じってた気がします。作品全体の雰囲気、メカニックなどのディテール、設定、ストーリー、構成、あらゆる部分に。つーか全部と言っても過言ではないんじゃないかと。なので、日本人にはとても馴染みやすく、世界観や設定に入りやすい作品じゃないかな。
いがみ合うライバルがいつしか最強の仲間になるとか、仲間との絆や信頼関係とか師弟愛とか。2人のパイロットがシンクロして記憶を共有するんだから、必然的に強く深く繋がることになるよね。そこに様々な感情が生まれるのも当然だよね。で、そういった設定やくだりなんかも少年マンガぽいって思った。

巨大ロボット:イェガーに生身の人間が搭乗するのは、「マジンガーZ」とか「ガンダム」とかロボット大戦系。戦う姿は「トランス・フォーマー」系。超合金的な“キュルキュル~”の音がたまりません(*´д`*)ハァハァ。パイロットとイェガーがシンクロするのは、「エヴァ」かな?ローリーとマコが搭乗するシーンはまんま「マジンガーZ」だし、「ロケットパーンチ!」ゆうた時は吹き出しました(いい意味でね)(オリジナルでは違うらしいです)。

中のパイロットはロボットダンスみたいにガクンガクンしてるし、ガチガチの金属ロボットなのに、たまにエヴァっぽい動きして、何気に「そのイェガーの動きでよく勝てたよね!」なこともあるけど、気にしない!
イェガーは、それぞれ得意技というか必殺系の武器があるんだけど、一撃必殺!てわけではないので妙にハラハラさせられます。ウルトラマンでいったら「スペシウム光線」、セブンでいったら「アイスラッガー」的な(知らない人は昭和世代に聞こう!)。主人公とヒロインが搭乗するイェガーはアメリカ代表(ジプシー・デンジャー)だけど、チェーンソードを隠し持ってて(これがまたカッコイイ)、怪獣にやられちゃう!な大ピンチの時に、「私達にはまだこれがあるわ!」と秘密兵器ばりに出してきて、これがなかなか効果抜群で、最初からそれで戦ってたら楽勝だったんじゃ…だけど気にしない!
怪獣はゴジラとか昔の円谷特撮系。米版「ゴジラ」系ではなく、日本「怪獣」に近いディテール。敵も味方も街で大暴れ。むしろ、イェガーの方が街破壊してるよ。お前ら何のために戦ってんだ?!お願いだから余所で戦って!(´ロ`;) だけど気にしない!これ、昭和の特撮によく見られた光景ですね。やつらが通った後は、草の根も生えてない更地、みたいな。でも、細かいことは気にせず、ロボットvs怪獣との戦いを楽しめばいいんです。

色々なものが混ざってて、時々デジャヴるのも面白い。イェガーがスローで落ちて行くところは、どこかで見たことがある気がしちゃうくらい日本マンガやアニメにありそうな場面。とりあえず、頭に浮かんだのは「ラピュタ」か「ナウシカ」。ラストシーンあるある。…て思ったけど、後からちょっと「アベンジャーズ」のアイアンマンぽいかも?と思いだした。
それぞれの作品のいいとこ取りして、それらを上手く調和させているのはすごいと思う。作品の個性というか、本当に好きで理解していなければ、この調合は出来ないんじゃないかなー。“調合の妙”に斬新さを感じたし、日本のオタク文化を日本人に近い感覚で理解されてるのだな、てのも感じました。
しかし、人によっては「子供向け」「漫画的」と感じるかもしれないので、海外ではどう評価されたのか。ちょっと気になるところ。興行成績は、なかなか良かったような記憶なんですが…。

ありゃ、すんごい長くなっちゃった(´ロ`;)。感想続きと、ネタバレありのあらすじは畳みます。すみません。



 
ヲタク気質なワタシは、なんかもう、入り込み過ぎちゃって、マコと恩人の別れ場面で、マコが言った言葉に思わず泣いてしまったよ。マジで。本当は引き留めたい、だけど命を掛けてみんなの最終目的を成し遂げようとする恩人の気持ちを尊重して、告げた言葉だと思うんですよね。あの言葉で、ぶわっときてしまった。ワタシは主人公ローリーとマコより、ペントコストとの関係の方がグッときた。世界という曖昧なもののためではなく、共に戦った仲間達(身近な存在)のため!て空気がジャンプっぽい。

それでは、今さらだけどネタバレ含むあらすじ、いっきまーす。

突如、海底の裂け目から巨大な生物“カイジュウ”が出現し、街を破壊し始めた。人類は、軍事総力を結集し、激しい攻防の末倒すが、カイジュウは1体だけではなかった。世界は協力し、カイジュウに対抗する巨大ロボット“イェガー”を開発・製造する。当初はパイロットは1人だったが、心身への負担が大きく、2人体制で左脳、右脳を分担することで負担を軽減。次々と現れる怪獣を倒すイェガーとパイロットは、世界中のスーパーヒーローとなった。

ところが、カイジュウは戦いの中で日々進化・成長して強くなり、アメリカ産イェガー“ジプシー・デンジャー”のパイロット:ローリー・ベケットは、ある戦いでパートナーである兄を失ってしまう。
その後、イェガーは進化したカイジュウとの戦いに苦戦を強いられるようになり、各国首脳は“命の壁”と呼ばれる防護壁建設を優先させることを決定し、イェガー計画は中断(縮小?)。どう考えても単なる壁よりもイェガーの方が遥かに有効だと思うので、各国首脳陣の選択に唖然としたけど、コストや政府間での凌ぎ合いなど大人の事情があるのでしょう。て、お前ら本気で世界救う気あんのか?!

5年後。兄を失いイェガーのパイロットを辞め、命の壁建設現場を転々としていたローリーの前に、イェガー計画の司令官だったペントコストが現れる。パイロット復帰を打診され、連れて行かれた基地で、ローリーはパイロットの選定などを行う研究者・森マコと出会う。
マコは、パイロット希望で素質も技術も充分だったが、ペントコストは彼女の搭乗を認めようとはしなかった。しかし、マコと手合わせしたローリーは、パートナーに彼女を指名しデンプシーの試乗を行うが、「ウサギ追い」と呼ばれる過去の記憶にマコが囚われ、デンプシーが暴走。エヴァか。制御不能に陥り、大惨事寸前のところでローリーが食い止め、非常事態を克服したことで2人はデンプシーへの搭乗を認められる。
現存する4体のイェガーパイロットが揃い、最終決戦に臨む。

一方、カイジュウの生態について研究している科学者2人組みは、最終計画を前にカイジュウの真相解明と出現予測を行っていたが、分析を進めるうちにある事実が浮かび上がってくる…。

海底の裂け目に爆弾を投下し、カイジュウの出現口を塞ぐという計画は上手く行くのか?イェガーに携わる人々は、カイジュウに勝利することが出来るのか?!……なお話。

ストーリーすべてがイェガーとカイジュウに関する人達の間で進んで行くので、地球or人類は自分達が守る!というよりは、イェガーvsカイジュウに徹したお話だと思います。

計画の中断で新たなイェガーが製造出来なくなり、残っているのは中国とロシア、オーストラリア、アメリカ産の4体のみ。一応、イェガーも改良されて、“第×世代”と呼ばれる階層付けがあって、4体の中で一番強いオーストラリア産のストライカーが第5世代。ローリーとマコが搭乗するジプシーは旧世代らしく、ストライカーのパイロット親子の息子・チャックが何かと見下し発言して突っかかってくるんですよね。俺の方がすごいぞ的な。でも、ローリーは受け流してるけどね。で、親父のハークが、「息子がすまないな」て詫び入れて、横柄な息子(悪い奴じゃないんだけどね)の尻拭いして、パイロット同士の友好関係を取り持ってる。

あれ、日本産イェガーはどこに…?と思ったら、マコの幼少時代の回想で出てくる“コヨーテ”てのがそうらしい。第1世代だそうで、旧世代ならではの欠陥があって、これが後に司令官の進退に関係してきて、終盤ではマコがペントコストを慕う理由にも絡んでくる。

そもそもカイジュウてなんで裂け目から現れたの?は、冒頭で「侵略者は宇宙から来ると思ってたけど、実際は違った」みたいなこと言ってるように、宇宙人じゃないの?だったんですが、実は裂け目は異次元に繋がっていることが判明して、やはり地球外生命体による侵略行為だったと。
そして、最終決戦で科学者達が予測したとおり、カイジュウが同時に複数出現して、爆弾投下役のストライカーは死守しなければ…!なのに、相手はカテゴリー4で大苦戦。ちょっとコイツらめっちゃ強くなってますけど!え、カテゴリー4に加えて最大級のカテゴリー5も来ちゃうの?ムリムリムリー!!(゚Д゚;)で、イェガー達大ピンチ…!一番強いストライカーが重要な役目を担ってるから、仲間がピンチでも助っ人出来ないもどかしさ。目の前で仲間が散っていく虚しさに苛まれる中、裂け目から異次元に繋がる通路は、カイジュウのDNA読み取るバーコードリーダーみたいになってて、爆弾投下しても弾かれちゃうよ、なのが判明したり、投下する爆弾が使えなくなったり、中国とロシアがやられたりで、イェガー軍が不利な状況が続くんですけども、カイジュウのDNAがあればいいんだろ?第1世代だから、原子炉あるよね。それ爆弾代わりに使えるよね、でデンジャーが最終兵器になるけど、もちろん簡単に出来るわけなくて、幾多の困難を2人で乗り越えて絆は深まって行く……で、終盤はイェガーvsカイジュウの激闘やら、アクシデントやらトラブルやら、とにかく怒涛の展開でドキドキハラハラRUSH!!!で、楽しくて楽しくて、何が起こったのか覚えてないくらいでした。(え゛?!( ゚д゚))

向こうも最強の布陣投入で、こちらを徹底的に叩き潰す気マンマンなのが伺えます。カイジュウに襲われるイェガーの画がやや多く劣勢を匂わせる中、何か秘策はないのか!?とギリギリしていたら、それまで地(水中だったか)を這っていたカイジュウの背中から突如、翼がバサッ、てお前かよ!
思わず、「うはっ!」と声に出てしまって、慌てて口を噤みました。そんな後出し、イヤーン。イェガーも飛べたらいいのに!アニメのロボットはほとんど空飛べるのに!て何度思ったことか。

絶望的状況から起死回生案で切り抜けるてのは、王道だけどやっぱ爽快ですね~。最後にみんなで「イヤッホー!」てするのは、連帯感があって、すごくいいな。たくさんの犠牲もあったけど、彼らが決して無駄死にしてないところがいい。たぶん、死守しようとしてた香港は壊滅状態だろうけど。

どこを見ても楽しくて、後から2時間超えだと知ってちょっとビックリ。全然感じなくて、むしろあっという間だったよ。それくらい集中して楽しめてすごい面白かったです。できればもう1回スクリーンで見たいなー。
あ、そうそう。マコの幼少時代を演じた芦田さんは、ひたすら泣いて叫んで怯えて逃げまどってました。回想シーンのみの登場だけど、結構長かったんじゃないかな。堂々としていて、天才子役を感じさせるものがありました。あんな可憐な子が「きゃーーー!」て泣きながら逃げてたら、保護意欲を掻き立てられる。

by norarican | 2013-09-05 23:33 | 映画