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映画/『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

映画/『スター・トレック イントゥ・ダークネス』_c0184546_20185764.jpg先行に行けず、通常公開後に行ってきました。
まさに、SFアクション超大作!な作品でした。初っ端の火山噴火から息つく暇もない怒涛の展開。これでもかこれでもかと危機的状況が襲って来て、最早何が一番凄かったのか。何が一番最悪の事態だったのか。絞りきれない程、見どころ満載でした。
常に「どうなるの、どうなるのぉー?!」と、ハラハラの緊迫状態が続いてるところに、仲間がテーマの人間ドラマも繰り広げられるので、ずっと体に力が入ってて息詰めっぱなしだったもんで、見終わった後、やっと体の力が抜けて、思わず「ふぅ…。すごかった…」てなりました。2時間超えだったけど、全然長さ感じなかった。

映像の中で起きている事を把握するのに精一杯で、記憶に留めておく余裕がなかったよ。自分の少ない記憶域に残ってる場面が消えないうちに書きだしておきます。

見てて、「ああ、この人(JJ)ならSW作れるな」て、ふと思った。ワクワクするような、人を楽しませる、頭カラッポにして難しいこと考えずに、でも人の心に残る映像が作れる人だな、て。地上&宇宙での疾走感、すごかった。叶うことなら、もう一度スクリーンで見たい。

前作で、カーク船長のクリス・パインいいな、て思ったのですが、今回敵役が「シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチてことで、楽しみにしておりました。加えて、公開前からベネさんが大注目&話題、さらに監督、主要キャストが来日で、いやがおうでも高まる期待感。どんな冷やかな悪役ベネさんを見れるのか。公開が待ち遠しかった。

悪役のベネさんは、とても魅惑的で、それでいて迫力もあり、激しさと静かさと冷たさが同居しているような魅力を放っていて、存在感充分。アクションシーンもカッコ良くて惚れ惚れ。こんな動いてるベネさん、見たことないてくらい(笑)。アクションも結構イケる。今作は、この人を魅せるために撮られたんじゃないかというくらい、印象的なショットが多かった。ひいき目かもしれないけど(^^;)。やっぱ端正なお顔が気品ある印象を与えるんでしょうかね。笑ったところやじゃべり過ぎて照れるところなんかもすごくステキなんだけどね。
シャーロックも好きだけど、悪役なベネさん、もっと見たいかも。邪悪さと哀愁深さを同時に持てる人なんじゃないかと思う。悪人なんだけど、その強くて揺るぎない信念や理念に惹きつけられるというか、妙に納得してしまう。迷いがないところに、魅了されてしまうんだろうなあ。カリスマてこういう人のことを言うのでしょうね。



一番は、やっぱカーク達に助太刀する場面かな。フード被ってヒュン飛び降りるところは印象的ですね。その一方で、個人的には、もっと狡猾でも良かったんじゃないかなと思うところ。ここは貪欲に。仲間愛が深い分、人類への憎しみをもっと深めて、仲間を思うカーク達の絆の強さを逆に利用したら良かったのかなーと。結局、カーンの復讐相手は、カーク達にとっても敵だったことが、ちょっと話が外れちゃったかな、というのがワタシの印象。
あとね、オリジナルのスタトレを知らなくても充分楽しめるんだけど、世界観が分かってたらもっと楽しいんだろうな、て場面がチョイチョイあった。その意味が分からないというか。おそらくパロディやオマージュが含まれてるんだろうってことは感じるんだけど。時々、「あー、それ分かんないわー」だった。

それぞれが大事な仲間を救うため、共通の敵を倒すために一時休戦なのはアリだけど、もっと裏切り感があっても良かったかな、とも。部下を率いる同じ立場のカークとジョンの対立を色濃くしてくれたら良かったのになー、とか。仲間を想う気持ちは同じなのに、それぞれが下した判断は真逆で、敵同士だけども、その気持ちは充分理解できる…みたいな。実際、ジョンが無慈悲な破壊行動をしたのは、そうした理由からで彼なりの正義だったりする。ベネさん贔屓故の欲張りでしょうけど…つーか、願望?

あまり大きな声じゃ言えませんが…。実はワタシ、「人類の弱点は愛」なのがよく分からなかったんですよね。てへっ。そこがちょっと引っかかるところ。あまりに目まぐるしく展開していたせいで、覚えてないだけかしら…?

もうホント、たくさん見どころ場面があるんですよ!冒頭の火山噴火の際のカーク達が走り抜ける一面の赤とか。あれは壮観ですね。海から出現するエンタープライズとか。ゾクゾクする。ジョンによるテロ攻撃とか。普段は自信家のカークが恩人の悲劇を悲しんだりとか。そんな感傷的な面があるんだ、て。
クルーの見せ場もそれぞれあって、カークと意見が対立して一時はエンタープライズ号を降りるスコットが、カークを導くために奔走して成功させたり、辞めたスコットの代わりに奮闘するスコットが可愛かったり、カークの使命で代理船長になるスールーなどなど。元祖スポックは今回も出て来たYO!!(゜∀゜)で、これよく全部収まったなて思う。スコット@サイモン・ペックて、実は(?)カッコイイのに、すっとぼけた演技が面白過ぎて(あるいは可愛くて)、そのカッコ良さがあまり目立たないですよね。て、ワタシだけ?

ジョン@ベネさんに喰われ気味で、若干影薄だけど、カークとスポックの友情物語も見どころ。ジョンに攻撃しかけられた後の場面のカークとスポックが対象的なんだけど、スポックが感情を殺した(殺している)のには理由があって、「大切な人を失った時にすごく悲しかったから、感情を切り離そうと思った」(要約)から。淡々と話すスポックに胸が痛かった。感情を消してしまいたいくらい悲しかったのだと思うと切ない。

その後、終盤での扉を間に挟んだカークとスポックのシーン。2人のやり取りがすごく印象的で、今思い出しても泣けてくるんですけど(笑)。
いつも自信満々で、むしろ自意識過剰過ぎて調子乗り過ぎな男が、スポックを前にして「怖いよ…」て本音明かしてて、この人はいつも自身の弱さや恐怖心なんかを必死に殺して生きて来たのかな…なんて思ったら泣けてきちゃって。しかも、それをスポックに言うところがまたね。心の底から信頼してなければ出来ないことだよな…て。
そして、感情を切り離して生きて来たスポックが、弱気なカークを見て感情だだ漏れさせてるところが、また涙を誘う。制御装置が外れてしまうくらい、カークの姿が悲しくて衝撃的で、どうにかしてあげたいのに何も出来ない、ただ見てるしかない自分の無力さとか感じてるんだろうな。そばにいることしか出来ないんだろうな。て思ったら、ブワッ。妄想で泣けます。

オモシロ場面としては、カークの後ろで、2人つーかスポックがカノジョのウフーラに、やいのやいの言われてて、「まーた始まったー」(=_=)な感じでオーラ消して空気決め込んでいたら、「ねえ、そうですよね、キャプテン」て話ふられて、「え、ちょっ、痴話げんかに俺巻き込むの止めてくれる!?」なのには笑った。

直感重視のカークと、規則重視のスポック。どちらも若干度が過ぎてるから、一緒にいることで上手いこと調和されてるんだろうな。互いに補い補われ、認め合って絆を深めていく。実にいいコンビだ。カークは、船長としての素質はまだまだだけど、非常時の際の判断力と決断力がピカイチ。だからエンタープライズ号の船長になれたんですよね。そして、ワタシはカーク船長なクリス・パインが一番好きだと改めて実感。

by norarican | 2013-09-29 00:12 | 映画